「残念ながら、専門的な内容についての調べものだ。君が今できる最善のことは、ヒントになる記憶を思い出すことだ。精神を研ぎ澄まして、より多くの情報を受信し、俺のところに持ってきてくれ」

 そう言われてしまっては、返す言葉もない。精神を研ぎ澄ませば有益な情報を含んだ記憶がよみがえるかどうかは別として。というか、受信って……。

 ただ、〝足手まとい〟や〝邪魔〟という否定的な単語を使わず、やんわりと拒否してくれたことに、彼の優しさを感じた。

「それじゃ、また明日」

「ああ」

 そんなやり取りを交わして、私は学校をあとにした。

 帰宅後は、なるべくいつも通り過ごした。
 けれども、気を抜くとすぐに、シロちゃんのことについて考えてしまう。

 シロちゃんの生まれ変わり候補が四人まで絞られた。
 だけど、本当にその中に、私の運命の相手がいるのだろうか。

 布団に入ってからも、そんな答えの出ない問いに頭を悩ませていた。

 何か見落としている可能性はないか、などと考えてみた。

 けれどすぐに、弓槻くんに考えの及ばないことを私が思いつくはずもない、という結論に達した。

 私はすっぱり諦めて、眠りについた。