「なるほど、納得した」

「だよね。いきなりそんなこと言っても信じてもらえ……って、ええっ⁉」

 ノリツッコミみたいになってしまった。
 順応性が高いとか、そういうレベルじゃない。オカルト研究同好会への入会でもオススメしてみようか。

「いやね、私もおかしいなと思ってたのよ。あの琴葉があの弓槻くんと仲良くなるなんて、よっぽどの理由があるんだろうなって。弓槻くんのことが好きになったとしか考えられなかったんだけど、それでもいきなりこんなお近づきになるなんて、チキンな琴葉の性格からは考えられないし。それに、琴葉はそんな絶妙な嘘をつける子じゃないしね。親友なんだから、そのくらいわかってるよ」

 ビシッと親指を立てて、藍梨は片目をつむった。

 若干悪口が含まれている気がしないでもないけれど、その台詞の裏にある私への理解に、胸が温かくなる。

「藍梨……」

「でも、弓槻くんより先に私に相談してくれてもよかったんじゃないの?」
 腰に手を当てて、頬を膨らませる。

「ご、ごめん」

「ま、許したげる。にしても、前世の記憶だなんてとんでもないことに巻き込まれちゃったね。それで、そのシロちゃんの生まれ変わりってのは、目星はついたの?」

「それが、まだ全然。でも弓槻くんが協力してくれて、今のところいい感じ」

「あらあら、お熱いことで」

「だっ、だからそんなんじゃないってば!」

「あはは。照れる琴葉もかわいいね。じゃ、何か協力できることがあったら私にも頼ってよ」

 そう言い残して去っていく。まるで嵐のようだった。