「信じられないかもしれないが、事実なんだ。俺は生まれ変わりについて研究を重ねてきた。その結果、十八歳未満の人間は、特定の条件の人間にしか生まれ変わらないという事実が報告されている。だから、信じてほしい」

 弓槻くんの声からも、冗談を言っている雰囲気は感じ取れなかった。

 それに、前世の記憶がよみがえるという、すでに信じ難い体験をしているのだ。もうあり得ないことなんか、この世にないような気がしてきた。

 そもそも、この場で嘘をつくメリットなど、何もないはずだ。

「うん。信じる」

「助かる」

 少しホッとしたように息を吐き出して、彼は続けた。

「十八歳未満の人間が生まれ変わる際にかかる制限は二つ。まずは性別。男は男に、女は女にしか生まれ変わることができない。この時点で、候補は百五十九人だ」

 つまり、この学校にシロちゃんの生まれ変わりがいるとすれば、その人は男子である、ということか。百五十九人というのは、二年生の男子生徒の総数だろう。

「そして、血液型。十八歳以下の人間は、同じ血液型の人間にしか生まれ変わることができない。ちなみに、ここで言う血液型というのはABO式のことだ。昨日の君の話から、シロちゃんはAB型だったことがわかる」

 ん?

「ちょっと待って!」

 思わず口を挟む。

「シロちゃんがAB型だって、どうしてわかるの? 私は彼の血液型なんて弓槻くんに話してないし、というか、そもそも知らないんだけど……」

 しかし弓槻くんの次の一言で、私は納得させられてしまう。