「結論から話そう。シロちゃんの生まれ変わりの候補は四人。俺が今持っている知識を頼りに絞った」

 親指だけを曲げた右の手のひらを、私に向けて言った。
 いきなりの飛躍的な進歩に、私は驚く。

「四人⁉ そんなに少なく……。どうやって?」

「月守風香が死んだのは、中学三年生のときで間違いないな」

「うん」

「なら、十四歳か十五歳だ」

「それが、どうかしたの?」

「今から俺が言うことは冗談ではない」

 昨日、私が言ったからだろう。
 弓槻くんはそんな前置きをして続けた。

「人間が人間に生まれ変わる場合、それなりに負担がかかる。わかりやすく言うと、精神がまだ未熟な状態で転生する場合、その転生する先は元の人間と同じような人間が好ましい、ということだ。よって、ある項目に年齢制限が設けられている。煙草や酒と一緒のようなものだ。ただし、こちらは十八歳だが」

「せ、制限?」

 正直、すぐにそれを信じることはできなかった。