昨日と同じようにパイプ椅子に座り、テーブルを挟んで弓槻くんと向かい合っている。

「新しい記憶、か……」

 今朝の出来事を彼に話して聞かせたところ、オカルト研究同好会の会長は、テーブルに肘をついて、組んだ指の上に顎を乗せて考えるしぐさ。

「でも、あんまり有益な情報は――」

「いや。よみがえる前世の記憶が、事故当日のものだけではないということがわかった。これはさらなる情報が期待できる。二度あることは三度ある、と言うだろう」

「たしかに!」

 ポジティブな分析に賛同する。

「もちろん、もう新たな記憶は得られない可能性もあるがな」

 あ、そうですよね。

「とにかく、また新しく思い出した……という言い方は変かもしれないな。新しくよみがえった記憶があれば、すぐに教えてくれ」

 その言い方も十分変だけど……とも言えず、いつでも連絡をとれるよう、彼と連絡先を交換した。

「さて、俺からも重大な話がある」

 真剣な目つきで私をじっと見る。

「……」

 唾を飲んで続きを待った。