「そういうことなら、ぜひ協力させてもらおう。生まれ変わりについては、大いに興味がある。というか、俺が研究しているテーマそのものだ」
どうやら、彼が超常現象について研究しているというのは本当らしい。しかも、生まれ変わりについて専門的に研究していると言う。
私と弓槻くんのこの巡り合わせも、運命に仕組まれたものではないか。そんなことすら感じた。
「ありがとうございます」
私は深く頭を下げた。
「俺も、前世の記憶を保持している人間の実例を見るのは初めてだ。むしろ君には感謝している」
研究対象として感謝されてもあまり嬉しくはないけれど、利害は一致しているらしい。
「シロちゃんの生まれ変わりを探すとして、具体的に何か方法はあるんですか?」
私の質問に、弓槻くんはすぐに答えた。
「ああ。君のようにショックで記憶がよみがえるのなら、片っ端からこの学校の生徒に強い衝撃を与えて気を失わせれば、前世の記憶がよみがえった人間がシロちゃんの生まれ変わりだと判明するだろう。問題はトラックとその運転手の入手経路だが……」
「ちょっと、何言って――」
慌てて立ち上がる。ガタッと、パイプ椅子が倒れそうになる。
「冗談だ。ちゃんとした策はある。明日の放課後、またここに来てくれ」
弓槻くんはケロッとした顔で、私を見上げる。