「私は……」

 どうしたい?

 改まって考えると、どうしたいかなんて考えたことなかった。

 いや、違う。それは、考えることじゃない。私の気持ちの通りにすればいいんだ。

 心からの願いを、そのまま口に出す。

「私は、シロちゃんに――シロちゃんの生まれ変わりに会ってみたいです」

 実際に会ったこともない、記憶の中だけに生きる彼のことを想うと、どうしようもなく胸が苦しくなるのだ。

 月守風香やシロちゃんのように、ちゃんと恋愛を経験したことのない私には、この気持ちが、恋かどうかなんてわからない。

 そもそも、亡くなった人間にはもう会えないことくらい理解している。

 でも、記憶の中の月守風香は、たしかにシロちゃんを強く想っていた。

 それに……。

 ――僕らはまた、出会える。何度生まれ変わっても、また。だって、風香と僕は……赤い糸で……繋がっている…………から。

 シロちゃんのその台詞には、強い想いと、また会えるという確信が含まれていた。

 シロちゃんの生まれ変わりこそが、私の運命の相手なのだと、心から信じてしまうほどに。

 今まで恋なんてしたことがない私でも、運命の相手なら好きになれるはずだ。そんな予感がしていた。

 これまで私が抱いていた、恋愛に対する怖さと憧れのバランスが、大きく崩れようとしていた。

 この出来事をきっかけに、私は変わろうとしていた。

「シロちゃんの生まれ変わりを探したい、ということでいいんだな」

「はい」

 私は力強くうなずいた。