でもたしかに、客観的に見れば、今朝のあれは告白の呼び出しだった。というか、そうとしか思えない。

 やってしまった。こんな感じで、私はときどき周りが見えなくなり、暴走してしまうことがあるのだ。

 今回のことについては、恋愛ごとに関して疎いというのも原因の一つなのだろう。

「別に、照れなくていいのに。悩み事って恋愛のことだったかぁ。恋に消極的だったあの琴葉がねぇ……。うーん、感慨深い」

 藍梨は、両手を頬に当てて目をつむった。勝手にうっとりされても困る。

「本当に違うんだってば。神に誓ってそんなんじゃないから、信じて」

 詰め寄るように身を乗り出して、必死に否定する。

「え? そうなの? てっきり告白かと思っちゃったじゃん。じゃあ朝に話してた悩みとは関係ないの?」

 私の真剣な剣幕に、藍梨も思い違いを認めてくれたみたいだ。

「それとは関係なくはないけど……」

 なくはないどころか、大アリだ。

「……ああっ、どうしよう!」

 新しく懸念事項が浮上する。

「ん? どしたの?」

「あの呼び出し! クラスのみんなも藍梨と同じように、私が弓槻くんに告白をしようとしてるって思ってるってことだよね?」

「まあ、そうだろうね」

「うわぁ……やっちゃった……」

 どうしたものだろうか。思わず頭を抱える。