そして一番肝心な部分。

 ――嶺明高校で、二人は再会するんだ。見知らぬ他人同士だった二人は……運命に導かれて、ひかれ合う。

 もしも本当にこの台詞通りであれば、シロちゃんも私と同じように生まれ変わって、去年の四月に嶺明高校で私と会っているということになる。

 昨日考えたように、私の嶺明高校への進学は運命によって決められていたというのだろうか。

 ボロボロで、息も絶え絶えではあったけれど、自信に満ちたシロちゃんの言葉には、妙な説得力があった。

 そして私は、直接会ったことのない男の人のその言葉を、なぜだか信じてしまっていた。

 考えれば考えるほど、モヤモヤした気持ちは大きくなる。

 そして、その気持ちの中には、シロちゃんの生まれ変わりに会ってみたい、という思いも含まれていた。

 前世の記憶だとか、生まれ変わりだとか、そんなのあり得ない。

 そうやって常識に基づいて一蹴する以外に、否定する材料はない。何より、時間的なつじつまも合っている。

 やはりあの出来事は、本当に私の前世の記憶なのだろうか。