謎の記憶について、少し整理をしたい。

 前世とかそういったものを信じるかどうかはこの際置いておく。生まれ変わりが起こりうるものとし、さらに私が月守(つきもり)風香(ふうか)の生まれ変わりだとして考えてみよう。

 まず、その記憶がいつのものかということ。

 月守風香が中学三年生のときの修学旅行中の出来事だということは、記憶の断片から理解できた。

 正確なところはわからないけれど、だいたいの時期なら推測できる。

 ――十五年と五か月後。嶺明高校で、二人は再会するんだ。

 このシロちゃんの言葉を元に、引き算によって推測することができる。

 今現在から十六年と五ヶ月を引いて……十七年前の十一月か。私の誕生日がその年の十二月二日だから、前世のわたし、月守風香が死んでからわりとすぐに、現世の私、鳴瀬(なるせ)琴葉が生まれたことになる。

 時間的には、矛盾はないように思える。