少しだけ短くしたスカートから伸びた私の脚。その膝の部分には、大きめの絆創膏が貼られている。

 昨日病院で貼ってもらったものはお風呂に入る際に剥がし、入浴後には新しいものを貼った。剥がすときは地味に痛かったし、貼り替えるのも面倒だった。かといって、絆創膏を貼らないわけにもいかない。

 かなり目立ってしまっている。

 今日から何日かはこの状態だと思うと、花の女子高生として憂鬱な気分になる。

 スカートを長くしようかとも考えたけど、それだとかえって浮いてしまう。

 両膝を同時に怪我したドジな女子生徒という肩書なんて、要らないのになぁ……。

 そんなことを考えながら、自宅の最寄り駅からいつもの電車に乗った。

 車内は冷房が効いていて、天国に足を踏み入れた気分だった。すし詰め状態とまではいかないものの、座れない程度には混んでいる。

 ドアのそばに立ち、車窓から流れていく景色をぼんやりと眺める。

 電車ではいつも文庫本を読んでいるのだが、今日はそんな気分にもなれないし、文章を目で追っても内容が入ってこないだろう。