「ずっと、待ってたよ」

 私を真正面から見つめて、運命の人は言った。

 私だって、ずっと探していた。

 けれど――。

 一つだけ、わからないことがあった。

「どうして、そっちから教えてくれなかったんですか?」

「ん?」

「私が月守風香の生まれ変わりだって、気づいていたんじゃないですか?」

 先ほど、私が榮槇先生をシロちゃんだと指摘したときの、余裕のある反応。知っていたとしか思えない。

「ああ、ずっと前から気づいてたよ。入学式のときだったかな。ああ、風香だ。風香が会いに来てくれたんだ、って」

「じゃあ、なんで……」

「僕は、生まれ変わりも運命も信じてなかったんだ。事故のときは必死で、ただ風香と離ればなれになりたくない一心だった。それで、来世でまた会えるなんて荒唐無稽なことを言ったけどね。でも、もしかしたら本当に生まれ変わって会いに来てくれるかも、なんて……。そんなバカな考えもちょっとだけあって、結局、僕は嶺明高校で待つことにしたんだ」

 離ればなれになる直前、彼は奇跡を願ったのだ。