次に向かった場所も屋上ではなかった。

 今日も予想通り、()はそこにいた。かなり頑張っているみたいだ。私が声をかけると、彼は驚きながらも話を聞いてくれる。

「突然ごめんなさい。えっと……大事な話があります。あとで、少し時間をとってくれませんか?」

 私は、運命の相手にそう告げた。
 彼の目を真っすぐに見て、ストレートに。

 そうして、自ら逃げ道を断ち切った。

 弓槻くんと答え合わせをしたら、彼にすべてを話そう。

 私に前世の記憶がよみがえったこと。

 前世の私には大切な人がいたこと。

 その人と最期に、来世での再会を約束したこと。

 そして誰が、運命の相手であるか。

 それが自分のことだと知ったら、彼は驚くだろうか。驚くに決まっている。

 ところが、一つだけ重大な問題がある。
 私の気持ちはどうなのか、ということだ。

 運命の相手である彼に、事実のすべてを話した後に伝えるべき気持ちを、私はまだ測れずにいる。