〈そうだ。最近ミステリーの漫画も読んだんだけど、謎解きは消去法なんだって〉

「消去法?」

〈うん。『不可能を消去して、最後に残ったものがいかに奇妙なことであっても、それが真実となる』だっけな。そんな感じ〉

「へぇ……。当たり前のことだけど、たしかにそうだね」

 それから、燈麻くんに大会に誘われたことを告げて、私たちは通話を終えた。

 燈麻くんの件については、藍梨は『そっ、そのくらい自分で誘えよ』とお怒りだった。が、『早く燈麻にそう伝えといて! 早めにね!』とも言っていた。微笑ましい。

 あれ、でもこれって……燈麻くんがシロちゃんの生まれ変わりだった場合、親友に運命の相手をとられそうになっているってことじゃない? もしかして、ピンチってやつ? でも、燈麻くんがシロちゃんの生まれ変わりだとは限らないし……。

 お風呂にでもゆっくり入りながら考えよう。

 制服を脱いだときに、付着していた土に気づいた。
 きっと、チョコを埋めたときのものだろう。

 チョコと会ったときのことを思い出す。
 高いところが苦手で、持ち上げたときに嫌がっていた。パンチは食らったけれど、引っかかれなくてよかった……。



「――あっ!」



 その瞬間、ひらめいた。
 シロちゃんが苦手だったものがわかったのだ。
 確固たる証拠はまだないけど、きっとこれが答えだ。