そして、修学旅行当日。
事故のあった日の記憶。
シロちゃんと月守風香は、死によって引き裂かれてしまう。
しかし、愛し合っていた二人は、来世でまた出会うことを約束した。
以上が、私が知っているシロちゃんの全てである。
月守風香は、シロちゃんと付き合っていたとはいえ、一年間にも満たない短い期間のシロちゃんしか知らない。
しかも、記憶としてよみがえってきたのはそのうちの一部分。
つまり、私が知っているシロちゃんの情報はさらに少ない。
これだけでシロちゃんの苦手なものなんて特定できるとは思えなかった。
いや、弱気になっちゃダメだ。
私に月守風香の記憶がよみがえったことが運命ならば、同じように運命によって、私はシロちゃんの生まれ変わりを見つけることができるはずだ。
ここで諦めちゃいけない。
弓槻くんだって部外者なのに、こんなにも協力してくれているのだから。
でも、ほぼ他人だった私のために、弓槻くんがあそこまでしてくれているのはなぜなのだろう。
研究のためとは言っているけど、本当にそうだとしたら、彼はどうして生まれ変わりの研究をしているのだろう。