今までよみがえった記憶をもう一度思い出して、時系列順に整理することにした。
まずはシロちゃんとの出会い。
季節は冬。月守風香は、まだ中学二年生だ。
突き指をした風香が保健室に行くと、シロちゃんがベッドに座っていた。
不在の養護教諭の代わりに、応急処置を施してくれる。
このとき、風香は恋に落ちるのだ。
そして風香は、死んでも、生まれ変わってもなお、シロちゃんに恋をし続けている。
隣に座って風香の手を取り、氷で冷やしてくれた。
シロちゃんが風香に近づいたときの鼓動の高鳴りは、今でも鮮明に思い出せる。
彼は家庭科の裁縫の授業をサボって保健室へ来ていたと言う。しかし、どうしても授業をサボるような不真面目さは、シロちゃんから感じられなかった。
それに加えて、ただ単に好きになった人と話をしたかったこともあり、月守風香は彼にこう聞いた。授業を休んだ本当の理由は何か、と。
シロちゃんは観念したらしく、それに対して答えた。
しかし残念なことに、返事の途中で記憶は途切れている。
この答えが、シロちゃんの生まれ変わりを突き止める重大なヒントになるかもしれない。