二人とも昼食を終え、真剣な眼差しの弓槻くんが切り出した。

「さて、これでシロちゃんの生まれ変わり候補の四人に、一通り話を聞き終わった。與(あたえ)時宗(ときむね)、燈麻(とうま)実律(みのり)、仙田(せんだ)朔矢(さくや)、伊凪洸。この中で、何か運命的なものを感じた人間はいなかったか？」

　運命。

　その単語に、ドキリと心臓が跳ねる。

　榮槇先生の件を思い出したからだ。

「どうした」

「なんでもない。特にこれといって、四人の中にはいなかったよ」

　そう、四人の中には……。

「残念だ。直感で生まれ変わりが誰かわかれば、楽に研究が進むのにな」

　そんなにうまくいったら苦労はしない。
　もちろん弓槻くんもダメ元で質問したようで、表情に変化は見られなかった。

　私は話を進めることにする。

「猫についての質問の答えからすると、猫が苦手なのは仙田くんと伊凪くんの二人だね。與くんと燈麻くんは、猫に苦手意識はないみたい」

「ああ。しかし仮に、シロちゃんが猫が苦手で、その生まれ変わりも猫に苦手意識を持っているとしても、與時宗と燈麻実律を除外したところで、残りの二人の間に差異は見出せない」

「しかも、仙田くんは少し潔癖症なところがあるだけで、猫そのものが苦手ってわけではなさそうだし。伊凪くんに至っては、生物が嫌いなんて言い出すし。……やっぱり猫だけじゃわからないよ」

　考え始めてものの数分で音を上げた。

　情報が足りなすぎる。