また明日も、起きたら月守風香の記憶がよみがえっているのだろうか。
 そんなことを考えながら、私は布団の上で仰向けになっていた。

 もしもそうだとしたら、シロちゃんの生まれ変わりに関するヒントをください。あなたも早く、シロちゃんに会いたいでしょ?
 自分の前世に向かってそう願ってみる。

 シロちゃんに会いたい気持ちが、すでに月守風香だけのものではないことを、私は自覚していた。

 前世の恋人への想いが、自分の中でどんどん大きくなっていることもわかる。

 恋をしていると言ってもいいんじゃないかと思えるほど、シロちゃんは私の頭の中で存在感を増していた。

 今まで会ったシロちゃんの生まれ変わり候補の三人の中に、私の運命の相手はいるのだろうか。

 今日は、燈麻くんと仙田くんに話を聞いた。しかし私は二人に会っても、運命だとか繋がりだとか、ピンとくるものはなかった。

 與くんに関しても同様である。彼とは前から知り合いではあったけど、恋愛感情を抱いたことなんて一度もなかった。
 向こうも私に対して、そういった感情はないだろう。

「……あれ?」

 引っかかりを感じたのは、事故の記憶の中での、シロちゃんとの最後の会話を思い出していたときだった。

 シロちゃんは『会いに来て』と、そう言っていた。

 なぜ『会いに行く』ではなく『会いに来て』だったのだろう。

 それが少しだけ、気になった。