「今日も調べることがあるの?」

 オカルト研究同好会の部室で、私は弓槻くんに言う。

「ああ。もう少しで、君がシロちゃんの顔が思い出せない理由が判明しそうなんだ。俺の予測通りなら、かなり進展するはずだ。今はその裏付けをとっているところだ。完全にそうと決まったわけではないから、まだ教えられないが」

「シロちゃんの顔が思い出せない理由……」

 なんだろう。気になって今すぐ知りたいけれど、教えてくれそうにもない。

 それに、予測が外れていたら落ち込んでしまうと思う。弓槻くんはそんな私のことを理解したうえで、まだ教えられないと言っているのだろう。

 しかし、期待せずにはいられない。

 私一人ではどうすることもできなかったはずの悩みが、弓槻くんのおかげで、どんどん解決に向かって動いている。

 この人に相談して、本当によかった。
 何回目になるかわからないその言葉を、私はまた心の中で呟いた。

「明日も、またここに来ればいい?」

「そうだな。ただし、四人目はかなり変人だ。覚悟をしておいた方がいい」

 その口ぶりからすると、四人目の候補である伊凪(いなぎ)(こう)という人物も、仙田くんと同様に、弓槻くんの知り合いなのだろうか。それに、変人って……。変人の弓槻くんが変人なんて言うくらいだから、相当変な人なのだろう。

「覚悟……ねぇ」