【名無し】の剣士たちの【異世界】の旅が始まります。

 ベラドンナは、【六竜将】の一人であるイカズチを倒した【名無し】の剣士に興味を持ち、可能であれば自身の陣営に加えようと、数々の手強い追っ手を差し向けてきます。
 様々な欲望や野望を抱える【異世界】の権力者たちからも、狙われるようになり、【名無し】の剣士たちはそれらと凄まじい戦いを繰り広げていくことになります。
 その戦いぶりは鬼神の如くと謳われ、同じ騎士である土方歳三とジャンヌ・ダルクも、いつしか【名無し】の剣士との戦いを望むようになります。

 旅は苦難を極めますが、その途中で【異世界】に生きる人々と出会い、旅の仲間が増えていきます。出会いや別れ等の出来事を通し、戦いと孤独しか知らなかった【名無し】の剣士の心境にも、変化が表れ始めます。
 ビリー・ザ・キッドとは、苦難の旅と激戦を通じて時代と仲間を越えた深い仲となっていきます。それに嫉妬するキリとディスコルディアとの間でラブコメ(?)が起こったりします。

 一行は最終的に【赤龍王国】へと辿り着きます。
 そこで出会うヴラド3世の口から、「人間・エルフ・獣人は善、亜人と魔物は悪」というのは転生者の勇者による偏見(※要は、前者は結構カワイイから許すけど、後者にあたるオークとかゴブリンは気持ち悪くて嫌だし、魔物は大体凶暴で厄介だから排他しよう的なこと)で定められたこと、ベラドンナが魔王の転生体であること、キリが今は亡き【赤龍帝国】の女王との間にもうけた娘(※今まで両親と思っていたのはヴラド3世の近衛兵。魔神の存在を認識できるのは騎士の血を引いているため)であることが語られます。

 ヴラド3世の庇護下に入り、【赤龍王国】で平和を謳歌する一行でしたが、【名無し】の剣士はそれを心から楽しめなくなっていることに気づきます。
 結局自分は戦いにしか生きられないと悟った【名無し】の剣士は、新たなる戦場を求めて一人【赤龍王国】を去ることを決めます。

 出奔しようとする【名無し】の剣士の前に、ビリー・ザ・キッドとキリが現われます。
 ビリー・ザ・キッドは同行を申し出、キリは騎士の力と戦い方を学ぶため、なによりずっと離れていた父親(ヴラド3世)と向き合うため、【赤龍王国】に残ることを告げます。
 そして、出会いを導いてくれたロナーのペンダントを【名無し】の剣士に渡し、再会を約束して別れます。