なのに。

「疲れたから寝るね~」

今日に限って早々に寝る夫。
私のソワソワした気持ちだけが置いていかれてしまった。

子供達も寝て、一人ぽつんと残った私はやり場のない気持ちを持て余している。

いや、でも待てよ。

目の前で読まれる方が恥ずかしいし、これは夫のカバンに忍ばせてサプライズといこうじゃないか。

私はソファーの上に乱雑に置かれた夫のカバンに、そっと手を伸ばす。

埋もれてしまっては困るし、かといって堂々と出してあるのもサプライズとしてはインパクトが薄い。家では気づかないけど、出先で財布とか出した時に「え、何これ?」って気づくような絶妙な位置に手紙を差し込んだ。

ふふふ、夫よ、驚くがいい。

自分の計画に満足した私は、遅れて布団に入ったのだった。