便箋に丁寧に清書して封筒に入れた。

さて、これをどう渡すかだ。
結婚記念日は平日でお互い仕事。

「これ、読んでね」
「いつもありがとう。手紙書いたんだ」
「お納めください」

いろいろなパターンをシミュレーションしてみる。
さりげなく渡そう。
こう、自然に、はいって。

そんなことを考えつつ渡す機会を伺っていたのだが、家事と育児に終われてあっという間に夜になってしまった。

よし、子供達が寝て二人きりになったら、その時に渡そう。

手紙は今か今かとその時を待つかのように、キッチンの食器棚の中で待機している。