斗真はまた廊下をじーっと見る
「あのさ……1つ情報をやるよ」
純平の方を見た
「石川は昼休みに図書室にいることが多いらしい……」
「純平……今図書室に行ってたよな、会ったのか?話した?」
「少しな、斗真の事は言ってないぞ、俺は別に顔見知りだから話しても向こうも話してくれるだけだよ
……もう、お前好きだろ?認めろよ」
「わかんねぇんだよ、会えないから気になるだけなのか、好きの感情もどんなんだかわかんねぇ……」
「初恋まだかよ」
「うるせぇ……そうだよ」
斗真は頷いた
小学生の頃から野球を始めて中学校の今ではキャプテン、エースで4番
背も高くて体格もがっちり、顔も父さんと母さんに感謝するし、モテてる自覚はある
何人も告白されると俺はモテるんだと思うのは当たり前の事だ
でも今まで付き合ってみたいと思った事がないから申し訳ないけど断ってきた
自分でも俺の事を知らない生徒なんて同学年でいるかなって思ってた所にまさかの石川
征にも純平にも俺の事は知らないんじゃないのかと言われる始末
でも可愛い子なんて気になるじゃん!
俺には石川の顔は可愛いと思ったし
可愛いから彼氏とかいたりしてとも考える
可愛いと思うこと=好きではないよななんて自分に問う
純平から図書室にいると聞いても何故か恥ずかしいのと、行っても接点がないし話せないじゃんとか思ったり
図書室に行って存在をアピールすれば?とか言われたけど本を読むガラじゃない
漫画は別だけど
無理してまでとは思わなくなっていた、話さなければそのうち気にもならなくなるんじゃないかとまで思い始めていた
最初はクラスもわからなくて会えなくて何だよとか思ってた心のうずうずは隣のクラスにいるという安心に変わっていた