知らなかった、お前をこんなにも好きになるなんて…


次の日から斗真はテスト勉強を頑張りなんとか赤点は回避された

愛美の教え方もよくわかったし、中学の時は成績もほぼ一緒だったのに、完全に今は負けている

テストも終わり日常生活に戻ったある日の昼休み、華に稔からLINEが入った

‘’お願い!石川を連れて6組に来て‘’

「愛美、白方くんが愛美連れて6組に来てって、嶋本くんに何かあったんじゃない?」

「えっ……」

2人は急いで教室を出た

教室に入ると斗真の大きな声が聞こえた

「だからー、大丈夫だって!」

「ごめんなさい、私がこけなければ……でも部活は無理よ、休んで」

愛美は稔の服を引っ張った

「白方くん、どうしたの?」

「あっ、来てくれたんだ、河原さんがこけそうになって斗真が助けたんだけど手首を床についたみたいで

斗真は大丈夫って言ってんだけど手も腫れてきたから部活休んでってマネージャーが言ってるのに聞かなくて」

「腫れてるの?」
「うん」

「斗真のことだから部活休んだらマネージャーが自分のせいって気にするだろうから」

愛美は斗真の所に行った

「愛美……どうしてここに?」

「河原さんは大丈夫なの?」

「うん、嶋本くんが下になってくれたから……でもごめんなさい、私のせいで……」

「助けたのは斗真が勝手にしたことだからね、河原さんに怪我がなくて助けた斗真もよかったって思ってるよ」

「あっ……でも」


「斗真?」
「な、何だよ」

手首を後ろに隠した

「女の子守ったんだー、偉かったね、かっこいいよ(笑)」

「そ、そっかな」

褒められて照れた瞬間に手首を掴まれた

「痛てっ!」

「ほら、痛いんじゃない、保健室に行こう

一緒に行ってあげるから、部活うんぬんは先生の指示に従おうね」

「……わかった」

「華、先に教室に帰ってて、白方くんもありがとうね」

愛美と斗真は教室から出ていき教室はシーンと静まりかえった