知らなかった、お前をこんなにも好きになるなんて…


2駅後、華が合流する
「あっ、おはよー」

「おはよう華、斗真の友達の白方稔(しらかたみのる)くんだよ、こちらは石田華(いしだはな)ちゃん」

「よろしく、石川と同じクラス?」

「うん、部活も一緒」

電車を降りると愛美と斗真は2人で自然に歩き出す

愛美がよく喋ってる……

後ろから見ても楽しそうなのがわかる

「ねぇ、白方くん」
「何?」

「例の子との噂ってどうなったの?」

「マネージャー?だいぶ落ち着いたよ、俺らも違うって言いまわったからな」

「そうなんだ」

「だって、斗真が可哀想だろ?ちゃんと彼女がいるのにさ他の子と噂されんの」

「嶋本くんて友達にも恵まれてるんだね」

「斗真は昔からモテていて友達も多いんだよ、告られた子とも仲良くなっちゃうし男女わけへだてない

それは斗真のいいところでもあったんだよな

でも石川と付き合いだしてからガラッと変わって……

いや、付き合う前からかな、周りの事を考えるようになった」

「愛美もそんな性格だわ」

「顔つきも変わったし、よく笑うようにもなった

少し自己中心的なところも実はあったんだよな

エースで4番、キャプテンで誰も文句は言わせねぇみたいなとこも確かにあったんだ

それだけの努力もしてきてるからみんな逆らえなかったのもあるんだよね」

「将軍って感じ(笑)」

「まあ、一言でいえばそんな感じだったんだよ

それを変えたのは石川なんだよな

何で2人が付き合うようになったのかは謎なんだよ、中学の時の親友が知ってるかどうかくらいかな」

「白方くんも知らないんだ」
「うん、知らない」

「あたしは知りたいなー、いつか愛美に聞こ!」