向井の明るさは場を盛り上げてくれる
稔と野本は落ち着いてるし
今の居心地は悪くはない
5限が終わり愛美は走って6組にやってきた
「ハァハァ、あっ、斗真出てきてくれてたの?」
「ああ、恥ずかしいんだろ?石田さんを連れてくるって事は……」
「……うん、ごめん」
愛美らしいと思った
「じゃあ、これ、ありがとう、助かったよ」
ニコッと笑う
「ん……」
斗真は愛美のシュシュに触る
俺があげたやつ、つけてくれてる……
「おい、やめろよ」
同時にガラガラっと斗真の後ろの窓が開いた
「斗真ー」
向井が顔を出した
「び、びっくりしたー」
「あっ彼女さん?」
愛美もびっくりして頭だけさげると手を振ってそそくさと廊下を歩いていく
斗真は向井の肩を持ち開いた窓から教室に入った
「向井、いい加減にしろよ」
「ごめん、ごめん、顔がみたくて」
「だからやめておけって言ったのに」
稔が斗真に捕まえられた向井を斗真から離す
「ほら、斗真も……」
「斗真ごめん、可愛かった」
「だろ?じゃあ許す」
「でも……」
「ん?何」
「お前ならこう綺麗系の彼女ってイメージがあってー
美人で背が高くて、スタイル抜群みたいな……
可愛い系は意外だったな」
「俺が選んだんだからいいんだよ
正直言ってスタイルとかどうでもいいし顔だって童顔で、誰もが超可愛いって思わないとわかってるよ
でも全体的なフォルムと性格が俺にとって超可愛いんだからいいんだよ」
くしゃっと笑う
「斗真は美人とかスタイルがいい感じの子に告られても付き合わなかったんだよな」
「くうー、勿体ないな、何が斗真に刺さったんだろ、逆に気になるうー、告られた人数は2桁かよ」
「もう覚えてないけど多分?」
「そろそろ斗真を知って告られてくるんじゃないか?」
「何か聞かれたら言ってくれよ、彼女がいるって(笑)」
放課後、華と部活に行く途中に珍しく斗真に会った
華が見付けてくれた
普通ならもうグランドに移動している時間だ
華の日直を愛美は待っていて少し遅くなっていた



