次の日1組の教室に入った

「あっ、おはよう、愛美」
「おはよう」

華は愛美より先に来て席に座っていた

「もう、既に荷物が重いんだけど(笑)」

「愛美のラケットバックは少し小さいじゃん、あたしはほら後ろに置いたよ」

教室の後ろは個人のロッカーになっていたがそこには当然入らないラケットバックが隅に立てられていた

「このタイプはラケットとシューズしか入らないの」

愛美はラケットバックをおろして華の隣に置きに行く

「華は学校から近いの?」

「電車だよ、光が丘って駅から乗ってる」

「私と2駅違いだ」

「じゃあ、一緒の電車に乗ろうかな、今日早すぎたの」

「うん、そうしよ(笑)」

放課後2人は体育館に向かった

「見学者、沢山いるね〜」

3年の先輩が道具を持っていた2人に気づいた
愛美と華は頭を下げた

「石川さん、着替えてきて」
「はい」

先輩から部室の鍵を渡された

「行こ、華」
「うん」

2人は部室でTシャツ、短パンに着替えた

「愛美、さっきの先輩知ってるの?」

「うん、中学の先輩なんだけど……バド部に入ってることは知らなかったの、キャプテンなのかなぁ……」

「鍵持ってたからそうじゃないの?上手い?」
「うーん、そうでも……」

体育館に戻ると顧問の先生が来ていた

「あぁ、2人来てたの」
「はい」

「じゃあ、体験の子は2年生が相手して打ってあげて、2人と3年は基礎打ち30分であとは試合、ペアは石川、石田で組んでちょうだい」

『はい!』

「あたし、中学の部活を引退してから打ってないんだけど大丈夫かな〜」

華は基礎打ちをしながら声をかけた

「華なら大丈夫でしょ(笑)」

時間は6時になり愛美と華は先生に呼ばれた

「はい、入部届けよ、今日はもうあがりで明日届けを出したら最後までいる事になるからお願いね」

『ありがとうございました』

「やっぱり愛美は上手いわ〜中学でも断トツだったもんね」

「華もそんなにブランクは感じなかったよ」
「全勝したね」

「うーん、でもよかったのかな、いきなり先輩に勝っちゃって」

「でも、手を抜いたら逆に先輩に怒られるんじゃない?」

「そっかー、じゃあ、ちゃんとやらないとだね」
「えっ?」

「ん?私、変なこと言った?」
「連続で5試合したよね」

「5セットでしょ(笑)」
「疲れてないの?」

「えー、だってそんなに接戦じゃなかったよね」

「本気でやってないと……」
「あーまー……そうかな(笑)内緒ね!」

愛美はニコッと笑った
「よし、帰ろー」

あたしなんて右手に力が入らないのに……
こんなに細い身体の愛美に体力があるなんて

ふんふんふんと愛美からは鼻歌が聞こえる