「あっ、そうだ愛美」
「ん?」

「明日から部活出るんだろ?」
「うん」

「俺さ、自転車通学にしなくちゃいけなくてさー」

「えっ、そうなの?電車で一緒に行けるのかと思ってたー、結構距離あることない?」

「そうなんだけどな、さっき稔(みのる)から連絡入ってて……」

「稔って白方(しらかた)くん?」

「そう、稔も野球部入るんだよ、稔が野球部を見に行こうとしたら、グランドが違うからって言われたらしい」

稔の話では野球部は学校の近くに専用グランドがあるらしくそこまで自転車で移動するらしかった

夜も遅いから電車も本数がないらしい

「じゃあ、今度自転車買いにいかないとね」

「うん、とりあえず兄貴のに乗っていく、愛美、2階に行こ!」

「インターフォンなったら降りてきてよね」
『はーい』

斗真は新しい制服を脱いでいく、愛美にはブレザーをかけるようハンガーを渡した

ありがとうと言って愛美もブレザーを脱ぐ

「斗真のクラスどう?」

「まあ、稔と野本(のもと)がいるからな、楽しいんじゃないかな」

斗真はベッドに座って壁にもたれた

「今日だけでも、何人かLINE交換したし」

携帯を見る
愛美は斗真の前にもたれて座る

「斗真はそういうとこ凄いよね、人見知りないもんね」

「まあ、基本ないかな、愛美くらいだな最初話せなかったのは……だから特別……ちゅっ」

愛美のうなじにキスをした

「愛美は?」

「あのね、後ろの席の子がバドミントンやってて、練習試合とかよくしてて顔見知りだったから友達が出来た!」

「おっ、よかったな」

「うん、明日から私も部活に華と出る、あっ石田華ちゃんて言うの」

「ん、愛美の友達……覚えておくな」

「うん、同中がいなかったからちょっと不安だったけどよかったーって思った……緊張してたから……さ……」

斗真は愛美の頬を触った
こいつ、寝そう……

「斗真の手……あったかい」

少し寝さすか……
掛け布団を愛美の腰にかけた

「ん……斗真……」
「ん?」

愛美からはそれからは言葉ではなく寝息が聞こえてきた

斗真は携帯の音を消してゲームを始めた