4月、2人は県立南野原高校の入学式を終えて
それぞれ発表されたクラスへと向かった

「じゃあ、後でな」
「うん」

斗真は6組、愛美は1組で人見知りな愛美は自分の席にすぐ座った

「石川さん?」

愛美が顔を上げると見たことある子だった

「石田さんだっけ?」
「うん、よろしくね」

そう言うと愛美の後ろの席に座った

「よかった、石田さんがいて、私同中の子がいなくて……」

「あたしもいないよ」

「そういえば、石田さんの中学からはこの高校は遠いよね?」

「うん、家をこっちに建ててね、引っ越したからこの高校を選んだんだー」

「そうなんだ(笑)」

石田華(いしだはな)という女の子は違う中学のバドミントン部で、何回か練習試合をしていて顔は知っていた

大会でも対戦もしたことはある

その中学で1番上手くてキャプテンをしていたと愛美の記憶にはある

「石川さんは高校でもバドミントンするの?」

「うん、スポーツ推薦で入ったからね、石田さんは?」

「あたしもそうなの、よかったー」

ショートカットで丸めの顔立ち、愛美よりは当然身体もしっかりしていて頼りになるお姉さんという印象だ

「愛美(まなみ)って呼んでもいい?あたしの事は華(はな)って呼んでね」

「うん、よろしくね」

2人は連絡先を交換し、明日から部活に出ることを決めてバイバイをした

母親達と合流をして斗真の家に帰ってきていた

「見事にクラス別れたな」
「うん」

「端だもんなぁ、俺は4階、愛美は2階」

「よかった、4階じゃなくて(笑)」

「そこは、斗真と一緒だったら4階でもー、とか言ってくれよ」

「えっ、やだ〜(笑)」

「くうちゃん、何かとるから夕食食べて帰りなよ」

「そうね、疲れたわ〜この書類の山よ、一緒に書こ!」

「うん、凄いねー、2人とも何がいい?」

『ピザー』
2人は顔を見合わせた

「はいはい、分かりました(笑)」