2人ともスポーツ推薦の枠を貰えて2月には合格をしていた

バレンタインデーの日いつも家まで送ってくれるが1度帰ってチョコを持ってくると告げ愛美は斗真の家にチョコを持ってきていた

「これ、お母さんとお兄さんにも渡してね」

「みんなと一緒?」

「うん、今年は買ったから一緒、今度手作りに挑戦したら斗真にだけあげるね」

愛美は斗真の前にちょこんと座った

「楽しみにしてる、一緒にチョコ食べよ」

「いいの?」
「愛美がチョコ好きなの知ってるし(笑)」

「わーい、嬉しい、トリュフ、トリュフ」

愛美は斗真のトリュフチョコを口に入れた

「んー、おいしっ……」

「愛美」
「ん?」

愛美が後ろを向いた
斗真の舌が愛美の口の中に入ってくる

「んー、んー、……とられた……」

「甘っ、とってやった(笑)サンキュな」

「もう……強引なんだからー」

愛美は斗真にもたれてゲームを始めた

「もうすぐ携帯買ってもらえる」

斗真は2人でゲームをするのも好きだが愛美がゲームをしている姿を見るのも好きだった

俺の前で気を許してくれてるって思っている

「なぁ」
「ん〜?」

「お前さ、自分から誕生日言わないって最初言ってたけど、俺の誕生日も興味無いわけ?」

愛美は手を止めた

「あっ、斗真の誕生日知らないや」

「悲しいな、聞いてもくれないしな」

「ごめん……いつ?」
「来月の28日」

「斗真って3月生まれなんだね、私の方がお姉さんだ(笑)」

「誰が見ても姉には見えないし、全然子供だし、まあ、そういうとこもいいんだけどな」

「子供か……まあそうだよね」
1度ゲームから目を離して遠くを見た

「拗ねた?そういう愛美もいいってことなんだけど」

「難しいことはわかんない」

愛美は少し顔を曇らせた

「あっ、逃げた、だから子供なんだよ……」
「……」



暫く沈黙の後斗真が話し出す

「28日、離任式で学校なんだよ」
「そう……だね」

「帰りに寄れよな」
「…………うん」

何となく斗真の言いたいことは愛美にもわかった

愛美はまたゲームを始めた

俺には興味なしか……

斗真は愛美の結ばれた髪の毛をクルクルと指で絡め愛美の背中に頭をつけて後ろから腰を抱いて自分の手を前で組む

細せぇ……力を入れて抱いたら折れそうだ……
でも温かい……

「……ま、斗真」
「ん?」

愛美の腰を抱いたまま少しウトウトしていたらしい

「そろそろ帰るね」
「あっ、送る」

「いいよ、自転車だもん」

「ついでに走るから、着替えるから待って」


2人は家を出た