「もうすぐママが来る時間だ、下に行こ!」

パパのお迎えの車が到着して窓が開く

「今日はありがとうございました」

「こちらこそいつもお世話になってます、息子の斗真です」

「こんばんは、嶋本斗真です」

「いつも愛美が迷惑かけて悪いね」

「いえ、全然です」

「初ちゃん、またバーベキューでもしましょ、連絡するね」

「うん、待ってる」



約束をしてからすぐお盆の予定が決まり愛美の家でバーベキューが開催された

父親同士も挨拶を交わし庭で肉を焼き始める

お互い家を留守にしがちですねなんて話しながら愛美の父親は単身赴任で週末に帰り斗真の父親は平日が休みとあって中々家にも帰れない

そういう境遇にも話が弾み母親達もいつもの飲み会、愛美と斗真は食事も終わり愛美の部屋に上がってきた


「女の子の部屋なんて初めてなんだけど」

「いやいや、初めてじゃなかったらいつ入ったのよってなるでしょ(笑)」

「そっか」

「はい、期待しないでね、どうぞー」

「……女の子っていう部屋じゃないな(笑)」

「でしょ?」

「ベッドの下が収納になってるタイプか、俺も欲しかったな」

愛美がベッドに繋がる階段を上がる

「折れないかな?」
「大丈夫でしょ」

斗真も階段を上がる

「頭、気をつけてね」

「なあ、愛美」
「ん?」

「今、夏だよな、ベッドの周りに毛布が置いてあるのは何で?」

「寝てるとね、手とか頭とかぶつけちゃうの(笑)これは痛くないように保護のための毛布」

「どんな寝相だよ」
「ぶつけるくらい」

「俺と寝る時はそうでもないじゃん」

「あれは斗真が抱いて寝てくれてるから動けないんだと思うよ

斗真のベッドで私1人で寝たら落ちちゃうと思う」

「子供か!」
「うん」

愛美は斗真のあぐらの上にちょこんと座った

「お前、いつも前に座るな(笑)」

「落ち着くんだぁ、後ろにもたれるのが好き

安心するんだよね、まだ時々パパにももたれるの、えへっ」

「ほんとに子供(笑)」

「パパとママも時々してる、ケンカしてるの見たことない」

「だから愛美とケンカにならないのかな?

そういえば俺、愛美と付き合ってからあまり怒らなくなったなー」

「そんなに怒ることあったんだ(笑)」

「んー、自分にも腹立ってたからな、壁とか叩いてたし」

「へぇ、斗真が私に怒る時ってどんな時だろ〜

食べるのが遅い、行動がスロー、寝すぎとかかな?」

「それも可愛いって思うよ、どうしても急ぐ時はラケット持たせる(笑)」

「別人になって動くの早くなるかな〜(笑)」

「きっとなる(笑)」
「もー、やだー(笑)」

「ハハッ、腹いて〜おかしすぎ」