「斗真くん!」
2人は振り向いた
愛美は綿あめにかぶりつきながら斗真は手で綿あめを横から取っている所だった
「何だ、お前も来てたのか」
言いながら口に綿あめを放り込む
「斗真くんの彼女って愛美だったんだ」
「そうだよ」
愛美は後ろから歩いてきた沙耶に気づくと手を振った
沙耶はごめんと手を合わせる
愛美はううんと首を横に振ってニコニコしていた
「前は教えてくれなかったのに今日は教えてくれるんだね」
「まあ、今会ってるし、部活を引退するまではと思ってたからな
じゃあな、まだ寄りたいとこあるんだよ」
「えっ、待ってよ」
「何か用があるのか?」
「……っ用ではないけど……」
斗真は綿あめをまたちぎって口に入れて愛美
と歩き出した
「あー、もう何も言えなかったー、悔しい」
愛美は暫く黙って歩いていた
「愛美、大丈夫か?」
「うん……でも斗真の目、恐かったよ」
「そうか?冷静に話さなきゃって思ってたんだけどな、睨んでた?」
「うん、斗真も怒るんだね」
「そりゃ、怒るよ、後輩らにも色々言わなきゃなんないし」
「そっか、まあ、斗真はたまにクシャっと笑顔になるのが可愛いからまあ、いいか(笑)ギャップギャップ」
「俺、愛美の前で険しい顔してる?」
「そうね、ゲームしてる時とかは見てて面白いね」
「面白い?何だよそれ」
「ほんとに怒ってる訳じゃないでしょ?」
「多分……そんなことわからないよ、愛美にもきつい?」
「大丈夫!斗真は私には優しい(笑)」
「よかったー」
待ち合わせの場所で母親を待っていた
迎えの車が来て2人は乗り込んだ
「楽しかった?」
「はい」
「まあ、会いたくない奴もいたけどな、愛美、何か言われたら俺にすぐに言えよ」
「ん?なんなの、それ」
「俺の事をずっと好きなやつでしつけえんだよ……あれ?俺ん家に行くの?今日泊まりじゃないよな」
「くうちゃん、パパとバドミントンに行ってるから時間までね」
「あっ、そうなんだ、パパだけ行ったのかと思ってた」
「愛美ちゃんの着替えも預かってるわよ」
「はい、ありがとうございます」
斗真の家に到着した
「俺、シャワーしたい、愛美は?」
「今日はお泊まりじゃないから今日は着替えだけでいいよ」
「じゃあ、2階で着替えてこいよ、エアコン入れていいからな」
「はーい」
斗真はバスタオル1枚下半身に巻いてシャワーから出てきた