7月の県大会のバドミントン1日目が終了した

「愛美、早く早く!」
「どうしたの?」

「斗真くんの試合がもうすぐ始まるみたい」
「えっ、無理かと思ってたのに?」

「前の試合が長引いてるみたいで初ちゃんが連絡くれたのよ」

スタジアムに着いて斗真の母親を見つけた

「くうちゃん、間に合ってよかった」
「どう?」

「今1点負けてるの、愛美ちゃん、一緒に見て大丈夫?」

「ママと一緒にいるから大丈夫です、野球部の子もあまり知らないし」


斗真達の攻撃でネクストバッターの場所に斗真がしゃがんだ

「斗真ーー」

母さんの声?俺は次だし

斗真は後ろのスタンドを見た

愛美だ……試合終わって間に合ったのか

前のバッターが出塁した

よし!気合い!


斗真はバットを持ちバッターボックスに立った

初球を狙う……ピッチャーの心理がわかるのか
狙っていた

キーンと高い音を鳴らしてホームランを打った

会場は拍手で応援席ではみんなが喜んだ

ガッツポーズをしながらホームベースを踏んで仲間に迎えられる

「よっしゃー」
と応援席にもガッツポーズをした

「キャー、斗真、やった!」

初ちゃんは愛美に抱きついた

「ありがとう愛美ちゃん、来てくれて」

「凄い、斗真かっこいいですね」

ベンチでは仲間にポコポコたたかれながら喜んでいた

余韻に浸る間もなく斗真は次の回のマウンドに向けてキャッチボールを始める

斗真が少し上を見ると愛美と目があった

愛美は小さく手を合わせて拝んだ

ぷっ、何だ拝むって(笑)

斗真は波に乗り試合に勝った

「初ちゃん、先に出るわね」
「うん、来てくれてありがとう」

次の日2人とも負けて中学での部活は引退をむかえた