愛美達は負けると観客席に上がってきた
個人戦の前に昼食をみんな食べている
「愛美」
愛美はママに呼ばれてそばに行く
「これ、あそこに持って行ってあげて」
ママが小さく指を指した所には斗真の姿があった
「えっ!」
愛美はびっくりしてママの顔を見た
愛美は小走りで斗真のところに行き後ろから服をひっぱりカーテンに隠れた
「ちょっと、びっくりした、学校は?」
「熱が出てさ(笑)」
「誰かに見られるよ」
「帽子も深く被るし、大人しく見てるから……どうしても愛美の試合を見たくて母さんに頼んだ」
「はい、これママから、食べて」
「ありがとう、愛美は食べた?」
「まだ、試合終わってから食べる、とりあえずゼリー(笑)」
「試合、惜しかったな」
「あそこは別格、小学校の時から強かったし経験者も4人いる
個人戦でベスト8にはいらなかったら県大会行けないから頑張る」
「俺が来ない方がよかった?緊張する?」
「ううん、嬉しいよ」
2人はカーテンの中でハグをした
「じゃあ、行ってくる」
「頑張って!」
手をパチンと合わせて愛美はみんなと合流した
個人戦が始まり準決勝で苦戦はしたものの何とか勝ち決勝にすすんだ
相手は団体で優勝した中学の1番強いペアだった
凄い、さっきより接戦だ
そうか、近藤は中学から始めた子、小学校からの経験者の愛美は近藤のカバーもしなければならないのか
近藤が狙われるのは俺でもわかる
愛美、頑張れ、頑張れ
ぎゅっと握りしめていた手は汗びっしょりになっていた