斗真がユニフォーム姿で降りてきた

「愛美、口開いてるわよ(笑)」

母親に言われて慌てて口を閉じた

「ユニフォーム姿見たことなかったから」

「そっか、じゃあ、行ってくるな」

愛美はお箸を置いて斗真を玄関まで見送った

「頑張ってね、怪我しないように……」

「うん、行ってくる、愛美も部活頑張って」

2人で軽くハグをして別れた


総体の地区予選の日がやってきた
授業を受けていた愛美は学校の校内放送で野球部が地区予選2位で県大会を決めたと聞いた


夜に、斗真に電話をした

「もしもし、おめでとうでいいのかなー?」

「う〜ん、やっぱり悔しかったかな、優勝したかった、次は愛美の番だな」

「うん!」

愛美との電話を終えると斗真は下に降りていった

「母さん……お願いがあるんだけど……」




2日後愛美の地区予選の日がやってきた

体育館の観客席に斗真と初ちゃんは来ていた

「あっ、愛美ちゃん、下にいるよ

もしもし?くうちゃんどこ?階段上がったとこにいるんだけど」

「もしもし、今行くから待ってて」

愛美の母親が軽く走ってきた

「来てくれたの?ありがと、斗真くんも」

「私はもう少ししたら仕事に戻るわ、斗真がどうしても見たいって言うからさ」

「県大会は同じ日だから見れない、中学最後の大会なのに」

「まあ、3日間1人で投げ抜いたからご褒美ね」

「斗真くん、お疲れ様(笑)とりあえず団体の県大会出場は決まったわよ

後は準決勝と順位決定戦、その後個人戦よ」

「バドミントンは1日でやってしまうんですね」

「そうなの、日も体育館もとれないから1日に何試合もするのよ

終わるのは夜だと思うわ」

愛美の学校がコールされた

「斗真くんはバレないように反対側から見てて、校長先生とかもくるかもだからなるべく端の方でね

私はみんなの所に戻るから」

「はい」

斗真は母親と別れて体育館の隅に座った

試合が始まって斗真は愛美の試合を、いやバドミントン自体を初めて見た

凄い早い動きだ、愛美が別人にって言う近藤の言ってたことがよくわかった