愛美のタブレットを下から持ってきて2人はゲームを始めた

「ねー、斗真」
「ん?」

「総体さ、今年野球部強いの?」

「そうだな、組み合わせ次第かな

今年から2校県大会に出れるようになったみたいで、チャンスはなくはない」

「斗真がいるから?」

「いや、みんなの力だよ」

「……斗真変わったね」

「愛美の言葉のおかげ、あれから俺は変わった」

「(笑)かっこいいよ、でも試合見れないしな、日にち違うし、斗真の試合の日は私は授業だし、練習もあるし」

「俺も愛美の試合を見たことないから見てみたい、愛美が試合になったら別人になるって聞いたし」

「えっ?誰に?」
「近藤」

「もう、茜が何を言ってるのか怖いわ(笑)」

「近藤は俺らのことを知ってる」
「へっ?」

「後ろ姿でわかったって」
「なるほど〜(笑)」

暫く2人で話し、一緒のベッドで寝た


朝、斗真は目覚ましで起きた

背伸びをしようとしたが愛美がいるのを忘れていた

俺が抱きつきたいのに、愛美が俺を抱き枕にするんだもんな

「愛美、俺起きるけど?」

腰に回された手を外しぎゅーっと愛美に抱きついた

「苦しいよ、もう少し優しく起こせない?骨折れる(笑)」

「弱っ(笑)」

2人は階段を降りていった

「あっ、起きた?おはよう」

キッチンには愛美の母親が立っていた

「おはようございます」
「おはようございます、あれ、パンじゃない」

「くうちゃんが作ってくれたの」

「全く母さんは……」

「いいのよ、泊まらせてもらってるし、ビールも飲ませてもらってるから私は料理担当で」

「朝に味噌汁なんていつぶりだろう」
「修学旅行で出たでしょ」
愛美に突っ込まれた

「そっか、いただきます」
斗真はガツガツと食べ始めた

「ご馳走様」

愛美が味噌汁をゆっくり飲んでご飯に手を伸ばした時に食べ終えた

「ちょっとまた早くない?」

「斗真は早食いだし、食べ始めたら話さないし」

「食事も集中するんだね」

「支度してくる、愛美はゆっくり食べな」

愛美の頭をポンポンと撫でて階段を上がった

「斗真くん、しっかりしてるわね」

「私がしないから自分でするようになったわよ(笑)愛美ちゃんはゆっくりでいいのよ、斗真が動いてくれるから」

「愛美は動かないもんね(笑)」

「朝も起こしてもらいました……」