愛美は急いで食べて斗真と映画を見始める

1時間が過ぎた頃斗真が手招きしていた

「ん?」
2人の母親が行ってみると愛美が寝ていた

「何かかけるものもってきて」

小さな声で斗真が母親に言うと薄いタオルケットを取りに行く

「斗真くん、ごめんね、重いでしょ」

「いえ、軽いですね(笑)愛美は腕も俺の半分くらいしかないし、よくラケット振れるなって思いますね」

「細いから軽いラケットしか振れないのよ」

タオルケットを愛美にかけ、映画が終わると斗真は2階に連れて上がった

「我が子ながらかっこいいわ」
「いいね、お姫様抱っこ(笑)」

「飲も飲も」

斗真は愛美をベッドに寝かせた

隣で肘をついて横になり愛美を見る

可愛いな〜
スースー言ってるし

愛美の頭をなでるとパチッと目を開けた

「あれ?映画は?」

「途中で寝たから連れて上がったよ、俺のお姫様……」

見ていた映画にお姫様が出てきたから
言ってみたものの恥ずかしくて枕に顔を埋めた

「あっ、ありがとう」

「あ〜俺、何を言ってんだろ、まだ寝る?起きる?」

「お姫様はね、王子様のキスで目覚めるんだよ」

愛美は上を向いて胸の前で両手を組んで目を瞑った

白雪姫のように……

愛美がそういう事を言うとは思わなかった斗真は何も言えずシーンとなった

「ごめん、私も恥ずかしい事を言った、忘れて下さい、今言ったことは」

愛美は斗真と反対の方へ体を向けた

耳まで真っ赤になって両手で顔を覆っていた

「愛美……こっち向けよ」
「ごめんなさい、忘れてってば」

愛美の右手を握り少しだけズラして頬に軽くキスをした

ちゅっ

「俺ね母さんに何もしないから一緒に寝ていい許可をもらってるからこれで許して」

「斗真……」

愛美は斗真の方に向き直した

「そりゃあさ、2人で部屋にいたら色々考えるけどさ、今はそういう時じゃないと思うし愛美とはちゃんと付き合っていきたいって思ってるから軽いイチャイチャくらいで……なっ」

「イチャイチャに軽さがあるんだ(笑)」

「そりゃあるよ」
「わかった、私も変な事言ってごめんね」

「いや、可愛かった(笑)お姫様、起きますか?」
「はい」

「あっ、ぎゅーさせて」
「うん」

2人はハグをしてお互い背中をポンポンと軽く叩いた