「ただいまー」
「おかえり」
「愛美は?」
「まだ、おりてこないわよ」
「くうちゃん、今日どうするの?昨日つきあわせちゃったからさー、予定大丈夫だった?」
「旅行の前日が愛美の誕生日だったの、だから服でも買いに行こうかなって考えてた」
「えっ、愛美、誕生日?知らなかった」
「(笑)あの子自分から言う子じゃないから」
「おねだりしないんだね、偉い〜斗真はあれ買ってってすーぐねだる(笑)」
「もうー、母さんは恥ずかしいから言うなよ」
「じゃあ、くうちゃん、買い物行かない?
それだったら斗真と愛美ちゃんも一緒に連れて行けるし、誰かに会ってもいいし
斗真、誰かと約束してた?」
「愛美とどっか行こうとは思ってたけど具体的には決めてなかった」
「じゃあ、愛美を起こしてきてくれる?」
「はい」
「幸司朗は?」
「練習」
「はい、了解」
初ちゃんは幸司朗にコーヒーの準備を始めた
「愛美、起きろよ、朝」
「う〜ん、今日は休み……むにゃむにゃ」
こいつ、起きねー(笑)
幸せそうに寝てるな〜
「愛美、遅刻するぞ」
「へっ、遅刻?」
愛美は飛び起きた
「おはよ、みんなで買い物行くって(笑)」
「ふぇ?買い物?」
「うん、誕生日だったんだってな」
「あっ、この前……」
「着替えて下りておいで」
斗真が先に部屋を出た
制服に着替えた愛美がやっとおりてきた
「おはようございます」
「おはよー」
「全くよく人の家で爆睡できるわね、早く食べて」
「ごめんなさい」
愛美は買ってきてもらっていたチョコのクロワッサンを口に入れた
「頭もボサボサじゃないの、ゴムは?」
「あっ、2階」
「とってくる」
斗真は階段を駆け足であがり持ってきてくれた
「ありがとう」
後ろで髪を束ねた
「俺、シャワーして、支度する」
「私も着替えてくるわ」
斗真はさっさと自分の身支度をし始める
2階から野球の練習着を着た幸司朗がおりてきた
「幸司朗くんも野球やってるんだね」
「はい、大学でも続けてます」
「昨日は突然きてごめんなさいね、びっくりしたでしょう」
「はい(笑)でも斗真が嬉しそうなので僕も嬉しいです
最近イライラしなくなって変わったなと思ってたんです、愛美ちゃんのおかげですかね」
「私?」
モグモグとママと幸司朗の会話をぼーっと聞いていた愛美は名前を呼ばれてびっくりしていた
「うちの子ケンカしないのよ、ぼーっとしてるし、何でも遅いから斗真くんが待てるかしら(笑)
付き合っていくうちにイライラしてくるんじゃないかしら」
「ちょうどいいんじゃないですかね、暴走しそうになったら止めてくれそうな、いや、暴走はもうしないか、惚れた弱みみたいだし」
「そうならいいけどね」
「じゃあ、お先にでます、愛美ちゃんまたね」
「はい、いってらっしゃいです」