「斗真、どうしたの?顔が赤いよ」
「そうか?」

「私はもうご馳走様だよ」
「あっ、うん」

初めて兄の引き出しを見て、斗真はドキドキしながら残りのピザを食べ始めた

少し無言の間があったが愛美が話しかけてくれた

「何か新しいゲーム入れてないの?」

「そうだなー」
斗真は携帯を開いた

「あっ、ちょっとLINEを見ようか」

愛美は少し離れた

「えっ、何で?」

「人のLINEは見ない方がいいでしょ?」

「全然いいよ、むしろ今は2人の事だから一緒に見よう」

斗真は愛美の服を軽くチョイチョイと寄せる

タイムラインを開くとたくさんのコメントが入っていた

「誰?ってみんな聞いてきてるな、当たり前か(笑)」

「返すの?」

「いや、個人にきてる奴だけ返信する、ノーコメントで(笑)

あっ、征と純平は知ってるからな」

純平には明日は無理と断りのLINEをいれた

デートか?と返ってきたからうんと返信した

「何だか私までドキドキする、内緒ってこんなにドキドキするものなんだね」

「まあ、いいんじゃないか?また部活を引退したら考えような」

「……ありがとう、斗真」

2人はゲームをしながら話をしながら自然と寝落ちしていた




コンコン

「斗真、起きてるか?」
「うーん、寝てる」

「返事してるじゃないか、母さんがパン買ってこいっていってるけど、一緒に行くぞ」

「あ〜確かに腹減った……行く」

斗真はベッドから起き上がり寝てる愛美に布団を掛け直す

「服着てるな(笑)」

「ん……ふぁ〜ぁ……もちろん」

ジャージに着替えて下におりた

『おはよー』

2人の母親がコーヒーを飲んでいた

「愛美は?」
「寝てる、ずっとゲームしてたから」

「あの子、起こさないと昼まで寝る子よ」

「そうなの?斗真は意外と朝は強いわよ」

「何買ってきたらいい?」
「適当に、愛美ちゃんは?」

「愛美はチョコなら何でもOKよ」

「ん、わかった、行ってくる」

幸司朗の運転で2人はパン屋へ行った

「斗真、昨日ホントに手出さなかったのか?」
「うん」

「お前、付き合うの初めて?最初に告白してきた子とかとつきあわなかったのか?」

「今まで告られても付き合わなかったし、やっと自分から好きっていう子を見つけた」

「そっかー、可愛い奴」

幸司朗は斗真の頭をクシャっと触った

「もー、運転中だよ……兄貴は?

彼女の話とか全然聞かないけど」

「あー、俺は秘密主義(笑)多分結婚する時じゃないと家には連れて来ないな」

「モテるだろ?」
「まあ……不自由ではないが……」

「わー、遊び人(笑)」
「野球は真面目にしてるよ(笑)」