愛美は口がぷるぷるして鼻の穴も少し膨らみ泣くのを我慢している顔になっていた
「泣く?なんか純平とかに泣かすなよって言われんだよな
まだ好きって自覚してない時にさ、愛美が泣くと何かあるの?」
愛美は頭を横に振った
「何もないよ……ぐすっ、あっ、もう、ダメだ
斗真ごめんね、私が部活大事なんて言ってたのに、私の方が待てないかも……
ぐすっぐすっ」
斗真は愛美をじっと見た
「俺は……待つもりだったよ」
斗真はティッシュを愛美に渡した
「今さ、自信を持って聞いてもいいかな?
俺の事を意識してくれてる?
好き?」
愛美はティッシュを鼻に当てて斗真の目を見て大きく頷いた
何回も、何回も……
「やべぇ、超嬉しいんだけど」
斗真は軽く愛美に抱きつき背中をポンポンとたたく
「それ、最初にしてもらった時も落ち着いた、思い出す」
「俺も……愛美は細くて小柄だからすっぽりおさまりそうだな(笑)」
LINEの音が鳴った
誰だ、いいとこなのにと思いながら愛美の前に置かれていた携帯を開く
「純平だ、明日遊べるかってきた」
「あっ、遊ぶなら私、いいよ」
「何でだよ!愛美と遊ぶに決まってんじゃん
せっかくの初デートだし、今、写真撮りたい
両思い記念日として」
「やだー」
「何でだよ」
「泣いたからー(笑)」
「女の子だな(笑)」
「一応……斗真ってSNS やってるの?」