2泊3日の修学旅行を終えたバスは学校に到着していた
夜に到着だったから親の迎えが必要だった
「あれ?初ちゃん(はっちゃん)じゃない?」
「えっ、くうちゃん?久しぶり〜高校卒業して以来だね」
「ここにいるってことは子供は同じ学年?何組?」
「3組よ」
「やだ、一緒だ」
「ねえ、私の家ね、門出てすぐなのよ、ちょっと寄っていかない?」
「そうね、話したいし……あっ、愛美、こっちよ」
くうちゃんと呼ばれていたのは愛美の母親だった
「娘の愛美」
「こんばんは」
「ママの同級生だったのよ、同じ3組だって」
へぇ、誰のお母さんだろ
「うちね、男の子なのよ、兄ちゃんもいてね、女の子欲しかったわ〜あっ、いたいた斗真〜」
旅行鞄を持った斗真が歩いてきた
「すぐそこなんだから迎えにこなくても……愛美?」
斗真は愛美の母親に頭を下げた
「こんばんは」
「初ちゃんの子供って斗真くん?」
「そうよ、知ってるの?うちのバカ息子」
「バカって言うなよな」
ムスッとした斗真がいた
「斗真くんね、前に変なおじさんから愛美を助けてくれたみたいで、そこから知り合いみたいよ」
「偉いな、斗真」
「別に……」
「じゃあ、家行こうよ、あっ、車は車庫に止めていいわよ」
「じゃあ、車に乗って行くわ、愛美、荷物を車に積んでおくから先に行ってなさい」
「……はい」
愛美のママはグラウンドに停めてある車に歩いて行った
愛美はじっとママの方を向いていた
「愛美?行くけど?」
「あっ、うん」
斗真から少し離れて後をついて行った