斗真はその場にしゃがんで頭を手でつかんだ

「あっ、ごめん、私野球のことよく知らないのに言いすぎた、ごめんね」

愛美は斗真の前にしゃがんだ

「ねぇ、ごめんてば、頭をあげて……」

「恥ずかしい……」

「えっ?」

「俺は完全に自信過剰だった

野球の事だけじゃなく、人に対しても……

愛美が気づかせてくれた」

斗真は顔を上げた

「ありがとうな、愛美!」

斗真はすっきりしたように万遍の笑みを見せた
愛美の頭をポンポンとなで、立ち上がった

愛美も立ち上がろうとすると斗真が手を差し出してくれた

愛美はその手をとり立ち上がる

「あの斗真?私言い過ぎて……ごめん……」

「いや、全然、むしろ嬉しかったし本当の事だったわ(笑)俺の中で何かが変わった」

「……でも」

斗真は愛美の頭を上から軽く押さえた

「本当に感謝!お互い部活がんばろうな、じゃあ、戻る、明日また学校でな〜」

斗真は走って愛美の家から離れて行った


頭……大きな手だったな、あれが男の子の手なんだ

斗真の走る姿が見えなくなると愛美は家に入った

「愛美、お風呂先に入ったわよ」
「うん」
「顔……赤いけど?」

えっ?自分の頬を触った

「ちょっと暑かったからかな……お風呂入るね」

愛美はドキドキしていた

電話では話すけど斗真と近くで話したのは映画以来かな……声も何か違って聞こえた?