俺は同じクラスになって愛美の事で気づいた事を聞いてみることにした
「なぁ、愛美に聞きたいことがある」
「なあに?改まって」
「今、2人で話す時って普通に話せるよな?緊張とかする?」
「ううん、普通に話せるよ」
「教室で女子同士集まっててもあんまり話してないような気がするんだけど、どうして?
あまり、愛美の声が聞こえてこないからさ」
斗真は同じクラスになってもあまり愛美の声が聞こえないから愛美がいるグループの方をよく見ていた
楽しそうな顔は見れるけどもしかして一緒に居づらいのかなって心配があった
「えー、そうかな、話してないことはないけど友達が話してる時は聞いてあげたいじゃない?
話の途中に割って入るのも嫌だし……おかしいのかな、私(笑)」
「全然おかしいとかは思わないよ」
「あー、だから私、時々みんなに話聞いてる?って言われるのかな〜
まあ、みんながごちゃごちゃ言ってて途中で話がわからなくなることも多いんだけどね」
「そっか……まあ、ちょっと気になったから」
「2人だったら2人のペースで話せるじゃない」
まあ、確かに愛美の言うことも一理ある
あまりお喋りな方じゃないってことかな
俺もあんまり女子のお喋りな奴はどっちかというと苦手だ
歩いていると愛美の家まで数メートルの距離になっていた
「もう1つだけ……」
「うん」
「今日近藤と少し話したんだけどさ、ペアなのに一緒にいないよなって」
「あー(笑)そうね、ペアだから仲良いって思うんだ
ペアは性格、実力で外部コーチが決めるから、まあ、私達の代はそこそこ仲はいいと思うけど……」
「……」
近藤と言うことが違う……
「近藤の発言や行動で腹立つことはない?
あいつ結構口が立つと言うか……」
愛美は少し考えていた
「私は……キャプテンをしてくれてありがとうって思ってる
まとめるの大変だもん、茜には遅いって言われるくらいでそんな嫌味とかはないかな」
「俺らみたいな団体競技とはまた違うんだな?」
「私は団体競技には向いてないかも……」
「でも、人とは合わせれるんじゃないか?」
「確かに……でも……あまり大声を出せないタイプだからバドミントンコートくらいがちょうどいいのよ
キャプテンやってる斗真は大変でしょ?」
「俺はピッチャーもやってるじゃん」
「そうなの?」
「あれ?話してなかったっけ」
「聞いてたらごめん、えへっ」
「ピンチになったらマウンドに内野手みんな集まるんだけど間をとるって言うのかな……
その時自分がイライラしてるのがわかるほどなんだよね、もうわかったから早くポジション戻れって思う時がある」
「……」
あっ俺は何を言ってんだろ、いきなり部活の話なんかして……
「あの、今言ったことは……」
「斗真が悪いと思うよ」
「えっ……」
「みんながどうして間を取ってくれてるのかわかってないよ
冷静にさせる為の間なのに斗真はその間を仲間に与えてもらってるんだよ
私と茜だって流れ悪くなったら間を取って話し合うよ」
「あっ、俺……」
目からウロコだった……
「1番しんどいポジションなのはみんなわかってるんだから斗真が冷静になって試合の流れを作らなきゃ」
「作る?……」
「自信も大切だけどね、スポーツするのに自信過剰になっちゃだめだよ
そんなキャプテンには誰もついてこないよ?」