「むしゃくしゃすると……走りたくなるんだ……」
必死で息を整える
「むしゃくしゃ?何か嫌な事でもあった?」
愛美が心配そうに尋ねてきた
「んー、嫌なことというか、今日は考え事って感じかな、愛美も練習お疲れ様だな(笑)」
「うん、宿題した?」
「いや、まだ」
「私もまだ……えへっ、めんどいね、あっ、走ってるとこ止めたから汗がすごいね
ごめんね、夜はまだ少し寒いし、風邪ひいちゃう」
首にかけていたタオルを汗がつたっている髪の毛に軽く当てるように拭いてくれた
「俺の事、心配してくれるの?」
「そんなの当たり前じゃない(笑)汗かいてそのままにしていたら駄目でしょ?」
「……それは俺じゃなくてもって事か……」
「そうだね、でも今私の目の前には斗真がいるから今は斗真を心配してるよ」
ニコッと愛美は笑ってくれた
「ありがと、家まで送る」
「私が勝手に車から降りちゃったのにいいよ、走っても」
「ううん、送らせて……声かけてくれて嬉しかった」
2人は愛美の家に向かって歩き出した