この間2年の終わりにも朝礼でこいつら表彰されてたしな
「まあ、私は他の人と組むとケンカになるんだよね(笑)」
「キャプテンがそれじゃあ駄目だろ(笑)」
「野球部キャプテンの嶋本はみんなに優しいのかなー?ちゃんとチームワーク取れてるの?」
「……まあまあ?」
「まあまあって中途半端だな、愛美の事が気になるの?」
「いつそんな事を言った?」
「んー、今直感……愛美は泣かせないでよ」
またか……何も俺は言ってないのにな
夜、斗真はベッドに横になっていた
近藤にも、征にも、純平にも愛美を泣かすなよって言われたよな……
俺、誰か泣かせたっけ?振った女子とかかなー
あー、むしゃくしゃする、最近部活も調子が悪いし……近藤に言えないよな、走ってこよ
斗真はジャージに着替えて玄関に行く
「斗真、どこに行くの?」
母親が玄関に追いかけてくる
「走ってくる、行ってきます」
斗真……遅い時間なのに
母親は心配そうに見送った
斗真が走っていると後ろから車がきて斗真の前に止まった
車の後部座席から愛美が降りてきた
「ママ、先に帰ってて」
車はそのまま走っていった
「遅い時間に走ってたんだねー、部活の後なのに頑張るね」
暗がりながら愛美が笑っているのが街灯でわかった
「愛美も練習の帰り?」
「うん!平日も走ってるの?土日だけじゃなくて」
「走るかな、距離はその日の気分や体調によって……」
「でも、遅いと補導されちゃうよ、気をつけて」
「あっ、時間考えてなかった」
無意識に愛美の家の方に来ていたようだ
このコースは大体土日に走るコースだ