昼休みに純平と話す
「なぁ、純平」
「うん?」
純平はノートに落書きをしながら返事をする
「俺、石川と映画に行った」
落書きの鉛筆が止まる
「は?お前ら部活は?」
「2人とも午前練だったんだよ、お互い好きな作品の映画化でさぁ」
「もちろん、お前が誘ったんだろうな、石川からじゃないと思うし」
「うん、もちろん俺から……でもさ、聞いてくれよ……」
斗真はまた時間が合えば遊びに行きたいって言って、やんわり断られた感じがあることを話した
「はぁ、斗真はすぐ口に出すよな、まあ、斗真らしいっちゃらしいけど、よーく考えろよ、石川が学校ではお前と話さないんだろ?
そんな子がすぐ付き合うとか恋愛の事とか考えると思うか?」
「んー、恋愛は……俺も考えてないんだよな」
「じゃあ、何で誘うんだよ、デートじゃないのか?」
「デートって……付き合いだしてから出かけるのがデートじゃないのか?あれ?」
「うーん、俺は2人で遊びに行くことをデートだと……」
2人はお互いどっちが正解かわからずに顔を見合わせた
「ま、まぁ、どっちにしても断られたのは間違いないんだろ?斗真は振られたと(笑)」
「別に……告ってないから振られたとは思わないぞ」
「………」
純平は黙ってしまった
ん?あれ?純平の言う通り俺は振られたのか?
優しく振られたと思ったのも自覚はあったが純平には違うこと言ってる自分がいて……
あー、感情がぐちゃぐちゃだ
「まあ、石川の部活を頑張りたい気持ちを優先してあげる事だな」
「それはもちろん……」
ほんとに斗真は……バカだなぁ……
昔から知ってる純平は石川が中学で男と付き合うとか想像できなかった
斗真の女友達と性格が違いすぎる
だから今までお互い知らなかった訳だし
斗真が自己中心的にわがまま言って石川は黙ってる感じだと想像するんだけどなぁ
まあ、斗真が好きなのはわかったし部活を引退してから斗真がどう動くのかが楽しみだな