町を荒らしていた奴隷商を捕まえ、称賛されるアレク。
ベートはアレクに、垣間見えた力について問いただそうと近寄るが、そのとき人垣の中から猫耳の美少女が現われる。
彼はアレクの姉エレナであり、怪我をしたアレクを見て激昂。
傍にいたベートがアレクにけがを負わせた犯人だと決めつけ、詰め寄った。
場面変わって食堂。
「すみません~~~!!」と誤解したことを必死に謝るエレナ。
ベートは呆れてはいても怒ってはおらず、むしろ食事を奢ってもらったことに感謝する。
それよりも、猫獣人と犬獣人の姉弟の組み合わせが珍しく興味を引かれていた。
姉弟で違う獣人であることを問うと、アレクから獣人同士の夫婦の子供としてはよくあることだと教えられる。
アレクたちの両親は父が猫獣人で母が犬獣人。子供は片親の影響が強く出ていて、アレクは犬獣人だが猫要素は薄く、エレナは猫獣人だが犬要素は薄いことを教えられる。
なるほど、と素直に納得するベートに、アレクとエレナが顔を見合わせる。
獣人は基本的に差別の対象であり、昼の大立ち回りがあったとはいえ、食堂で彼らに向けられる視線は快いものばかりではなかった。
だが、ベートの出身は今いる町からは遠く、そこではこの周辺ほど獣人に対する差別意識がない。特に騎士団では種族に関係なく強いものを採用するため、ベートの知り合いにも獣人は少なくなかった。
「行ってみたいです!」とアレクが興味を示すが、今のベートは無一文で連れていってやれない。
パーティも追放されたことを告げると、アレクは一度エレナを見てから、覚悟を決めたように身を乗り出す。
「それなら、僕たちのパーティに入りませんか!」
「それはありがたいが……俺は単なるサポーターだぞ?」
ベートは自分が特性付与料理人であり、あまり戦闘が得意ではないことを伝える。
しかし、アレクはかえって目を輝かせ、「あの英雄、『戦闘料理人ベルトルード』みたいだ!」と喜ぶ。
戦闘料理人ベルトルードとは、知る人ぞ知る戦場の英雄であり、もっとも有名な特性付与料理人。
マニアックな名前を知っていることに呆れつつ、ベートはアレクとエレナのパーティに参加することを引き受ける。
ベートの参加にアレクは大喜びで、エレナにこう告げる。
「これで僕も、戦闘クエストを受けてもいいんだよね!」
戦闘クエストとは、ギルドで発注される依頼の内、魔物討伐に関わるもの。
アレクは過保護なエレナによって、戦闘クエストを受けさせてもらえなかった。
それでもアレクはどうにかエレナと交渉し、「三人パーティになったら受けてもいい」という約束をしていた。
二人のやり取りから、アレクのレベルが低い原因がエレナにあると気づくベート。
どうやら二人の故郷は魔物に襲われ、家族がバラバラになってしまったらしい。そのために、唯一残ったアレクを守ろうと、エレナは過保護になってしまっているのだ。
ベートはアレクの才能と勇者の片鱗を見ており、このままにしておくのは惜しいと感じていた。
しかし、エレナは「アレクが後衛になるなら」と、実質的に見ているだけでいるようにという条件を付けてしまう。
がっかりするアレクに、ベートは耳打ちをする。
「お前には猫獣人の要素はないんだったよな?」
「ええ……はい、そうですけど……」
「よし、わかった。エレナ、俺はそれで構わない」
「ええっ! ベートさん、でもそれじゃあ、また僕はなにもできませんよ!?」
エレナの条件を承諾したベートに、アレクは落胆する。が、ベートはアレクにだけこっそりと目配せをする。
「大丈夫、俺にいい考えがある」
ベートはアレクに、垣間見えた力について問いただそうと近寄るが、そのとき人垣の中から猫耳の美少女が現われる。
彼はアレクの姉エレナであり、怪我をしたアレクを見て激昂。
傍にいたベートがアレクにけがを負わせた犯人だと決めつけ、詰め寄った。
場面変わって食堂。
「すみません~~~!!」と誤解したことを必死に謝るエレナ。
ベートは呆れてはいても怒ってはおらず、むしろ食事を奢ってもらったことに感謝する。
それよりも、猫獣人と犬獣人の姉弟の組み合わせが珍しく興味を引かれていた。
姉弟で違う獣人であることを問うと、アレクから獣人同士の夫婦の子供としてはよくあることだと教えられる。
アレクたちの両親は父が猫獣人で母が犬獣人。子供は片親の影響が強く出ていて、アレクは犬獣人だが猫要素は薄く、エレナは猫獣人だが犬要素は薄いことを教えられる。
なるほど、と素直に納得するベートに、アレクとエレナが顔を見合わせる。
獣人は基本的に差別の対象であり、昼の大立ち回りがあったとはいえ、食堂で彼らに向けられる視線は快いものばかりではなかった。
だが、ベートの出身は今いる町からは遠く、そこではこの周辺ほど獣人に対する差別意識がない。特に騎士団では種族に関係なく強いものを採用するため、ベートの知り合いにも獣人は少なくなかった。
「行ってみたいです!」とアレクが興味を示すが、今のベートは無一文で連れていってやれない。
パーティも追放されたことを告げると、アレクは一度エレナを見てから、覚悟を決めたように身を乗り出す。
「それなら、僕たちのパーティに入りませんか!」
「それはありがたいが……俺は単なるサポーターだぞ?」
ベートは自分が特性付与料理人であり、あまり戦闘が得意ではないことを伝える。
しかし、アレクはかえって目を輝かせ、「あの英雄、『戦闘料理人ベルトルード』みたいだ!」と喜ぶ。
戦闘料理人ベルトルードとは、知る人ぞ知る戦場の英雄であり、もっとも有名な特性付与料理人。
マニアックな名前を知っていることに呆れつつ、ベートはアレクとエレナのパーティに参加することを引き受ける。
ベートの参加にアレクは大喜びで、エレナにこう告げる。
「これで僕も、戦闘クエストを受けてもいいんだよね!」
戦闘クエストとは、ギルドで発注される依頼の内、魔物討伐に関わるもの。
アレクは過保護なエレナによって、戦闘クエストを受けさせてもらえなかった。
それでもアレクはどうにかエレナと交渉し、「三人パーティになったら受けてもいい」という約束をしていた。
二人のやり取りから、アレクのレベルが低い原因がエレナにあると気づくベート。
どうやら二人の故郷は魔物に襲われ、家族がバラバラになってしまったらしい。そのために、唯一残ったアレクを守ろうと、エレナは過保護になってしまっているのだ。
ベートはアレクの才能と勇者の片鱗を見ており、このままにしておくのは惜しいと感じていた。
しかし、エレナは「アレクが後衛になるなら」と、実質的に見ているだけでいるようにという条件を付けてしまう。
がっかりするアレクに、ベートは耳打ちをする。
「お前には猫獣人の要素はないんだったよな?」
「ええ……はい、そうですけど……」
「よし、わかった。エレナ、俺はそれで構わない」
「ええっ! ベートさん、でもそれじゃあ、また僕はなにもできませんよ!?」
エレナの条件を承諾したベートに、アレクは落胆する。が、ベートはアレクにだけこっそりと目配せをする。
「大丈夫、俺にいい考えがある」