テストが終わり、再び部活に行く日々に戻った。
 河川敷が気がかりだったけれども、遥奏と顔を合わせることはなかなか気が進まなかったし、父さんや片桐先生に話をして練習を休むだけの気力を失ってしまっていた。

 一週間続けると少しずつ体力が戻ってきて、最後まで練習に参加できるようになった。
 相変わらず温かい部活の人たちとの関わりの中で、僕自身、卓球という競技に興味は持てないながらも、周囲の気持ちには応えなければならないと思うようになっていた。

 試合に出たりはできなくても、このまま引退まで続ければ得られるものはあるかもしれない。
 一流サラリーパーソンである父さんの人生経験から来るアドバイスは、妥当である部分が多いだろう。