同期や先輩方に数え切れないほどの迷惑をかけたあと、部活が終わった。
何人かの同期が「一緒に帰る?」と誘ってくれたけど、寄るところがあると告げて断った。
みんなが見えなくなるまで部室付近で荷物を整理する振りをしてから、正門へ向かった。
急いで行けば、遥奏に会えるかも。
遥奏はいつも僕より先に帰ることが多かったから、今日だってもういなくなっている可能性の方が高い。けれども、行ってみる価値は十分ある。
正門前の横断歩道を渡ろうとしたときだ。
ふと左手に、うちの制服を着た女の子の後ろ姿が見えた。
大きなリュックに隠れて全身はよく見えなかったけど、毎日のように目にしている黒髪ショートボブから、判断がついた。
「笹山さん?」
僕の呼びかけに応じてその首がくるりと回る。
キリッとした一重まぶたに、疲労がにじんでいた。
何人かの同期が「一緒に帰る?」と誘ってくれたけど、寄るところがあると告げて断った。
みんなが見えなくなるまで部室付近で荷物を整理する振りをしてから、正門へ向かった。
急いで行けば、遥奏に会えるかも。
遥奏はいつも僕より先に帰ることが多かったから、今日だってもういなくなっている可能性の方が高い。けれども、行ってみる価値は十分ある。
正門前の横断歩道を渡ろうとしたときだ。
ふと左手に、うちの制服を着た女の子の後ろ姿が見えた。
大きなリュックに隠れて全身はよく見えなかったけど、毎日のように目にしている黒髪ショートボブから、判断がついた。
「笹山さん?」
僕の呼びかけに応じてその首がくるりと回る。
キリッとした一重まぶたに、疲労がにじんでいた。