どんな言葉を伝えればいいのか、今まで凪は熟知しているはずだった。こう返せば相手は気持ちよくなるだろう、納得するだろうと、人の感情を受け取るのが得意だと思っていた。
口ごもる自分は、正直かっこ悪い。取り繕う術も忘れた。
「まゆ」
「ん?」
目の前の女は柔らかく微笑む。どんなタレントよりも美しく。
「キスしたい」
まゆは笑った。心から幸福そうに。
「恥ずかしい台詞だね」
「うん、俺もそう感じる」
互いに笑い合った後、甘くこそばゆい雰囲気が流れた。
彼女が目を閉じる。
凪は一歩ずつ近づいていった。
相手の身体にふれた。
自分とは違う柔らかな肌触り。手を握った。細くて長い指だった。俺のよりずっと小さいんだなと、心に疼く密かな色欲を感じた。この上ない愛情も。
まゆの手を握りしめたまま、唇にそっと、自分のものをあてがう。
反応を探るように、機嫌をうかがうように、慎重に。
まゆは凪のキスに応えた。
受け入れられた。
言いようのない寂しさが埋まったような、包まれるような安心感が、染み渡った。
(ありがとう)
恋人を抱きしめた。今度は強く。
口ごもる自分は、正直かっこ悪い。取り繕う術も忘れた。
「まゆ」
「ん?」
目の前の女は柔らかく微笑む。どんなタレントよりも美しく。
「キスしたい」
まゆは笑った。心から幸福そうに。
「恥ずかしい台詞だね」
「うん、俺もそう感じる」
互いに笑い合った後、甘くこそばゆい雰囲気が流れた。
彼女が目を閉じる。
凪は一歩ずつ近づいていった。
相手の身体にふれた。
自分とは違う柔らかな肌触り。手を握った。細くて長い指だった。俺のよりずっと小さいんだなと、心に疼く密かな色欲を感じた。この上ない愛情も。
まゆの手を握りしめたまま、唇にそっと、自分のものをあてがう。
反応を探るように、機嫌をうかがうように、慎重に。
まゆは凪のキスに応えた。
受け入れられた。
言いようのない寂しさが埋まったような、包まれるような安心感が、染み渡った。
(ありがとう)
恋人を抱きしめた。今度は強く。